徒然草第七十三段

高校時代に古文でクソ面白くもない「徒然草」を学ばされた。
面白味の全く無い奴のことを兼好法師と言ったりもしていたほどだった。
が然し、今読み返してみると結構面白い。
京都大学藤井聡教授が参議院予算委員会公聴(H24/3/22)で徒然草第七十三段を引用していたので読み返してみる気になったのだ。

その方丈記第七十三段は
世に語り伝ふる事、まことはあいなきにや、多くは皆虚言(ソラゴト)なり。
あるにも過ぎて人は物を言ひなすに、まして、年月(トシツキ)過ぎ、境(サカヒ)も隔(ヘダタ)りぬれば、言ひたきまゝに語りなして、筆にも書き止(トド) めぬれば、やがて定まりぬ。
で始まっている。
今風の解釈では、「ウソも百回いうとホントになる」と言うところだろうか。
 
エコとか省資源とか称しているモノのなかに虚言(ソラゴト)が堂々と混ざり込んでいて、その最たるものが、プラスティックゴミの分別収集なのだ。
名古屋市はペットボトルの分別収集をヤメたが、市長と市長のブレーンが立派だから出来たこと。
ペットボトルに限らずプラスティックを分別収集してリサイクルするのが省資源になる、と思い込んでいるのならまだマシで中央官庁の言いなりでプラスティックゴミを分別収集している自治体が大部分だろう。
一般家庭から出るプラスティックゴミの原料樹脂の価格は\200-〜\300-/kgなのだが、ちゃんと再生出来たとしても原料樹脂よりも品質が劣る再生樹脂にリサイクルするために人件費と輸送の燃料消費を投入することになる。
この辺りのことは、以前から中部大学の武田教授が著書で指摘されていたことだ。
家庭のプラスティックで、PET、発泡スチロールは見分けられるが、それ以外のポリエチレン、ポリプロピレン、アクリルニトリル、硬質塩ビ、スチロール、ポリカーボネートなどを見分けられる主婦がどれほどいるだろうか。
PETと発泡スチロール以外のプラステイックを分別収集するのはほとんど不可能だろう。
おまけに例えばポリカーボネートとアクリルニトリル(いわゆるアクリル樹脂)のように異種のプラスティックが混ざっていると加工できないのだ。
そうすると、分別しやすいPETと発泡スチロール以外のプラスティックゴミは焼却されている筈である。
まあ、低品質のレジンを作るのにバージンレジンを買うより高い金(税金)を使い、家庭の主婦には余計な手間暇をかけさせるのがプラスティックのリサイクルなのだ。
 
こんな事が世間にゴロゴロしてますなあ。